管理栄養士さんに聞きました!心に良い食の話
管理栄養士さんに聞きました!心に良い食の話

- 第2回 -
何を食べる?
栄養バランスのコツ

医療分野でも注目を集めるメンタルヘルスと栄養の関連性。
今回は、心の基礎体力を整える「バランスよく食べる」ための実践法とコツをお聞きしました。外食やコンビニ食になりがちという人も、ほんの少し気をつけるだけで食生活の改善が期待できそうです。
教えてくださるのは、管理栄養士の鈴木いづみさんです。

鈴木いづみ(すずきいづみ)

管理栄養士。一般社団法人健康栄養支援センター理事。
2006年 京都女子大学家政学部食物栄養学科卒業。
京都女子大学家政学部食物栄養学科の実習助手を経て、
精神科病院に勤務。その傍ら、一般社団法人健康栄養支援
センターに所属。2018年 同センターで、心と栄養について
考える「メンタルヘルス栄養研究会」を発足。

そもそも「バランスのよい食事」ってどんな食事ですか?

私たちが生きて活動するために必要な5大栄養素の、たんぱく質・脂質・糖質(炭水化物)・ビタミン・ミネラルが過不足なく摂取できる「栄養バランス」のよい食事のことです。
パンに鶏肉のトマトシチュー、キャベツサラダ、牛乳といった学校給食などがそうです。

逆に、ご飯のおかずが、唐揚げやとんかつ、ステーキだけで野菜が少ないと、糖質・たんぱく質・脂質にかたより、ビタミン・ミネラルが不足した、栄養バランスの悪い食事になります。
ダイエットにありがちな野菜サラダだけというのも、もちろん栄養素が足りていませんよね。

5大栄養素 脂質・糖質・タンパク質・ミネラル・ビタミン

栄養バランスはなぜ大事なのでしょう?

たとえば、体の細胞やエネルギーをつくるには、食事からとるたんぱく質や脂質、糖質(炭水化物)が材料となります。材料ばかりたくさんとっても、それらの分解や合成を助けるサポート栄養素のビタミン・ミネラルが不足すると、十分に生かせません。

前回のおさらいになりますが、感情や情報の伝達を担っている脳内の情報伝達物質をつくるときにも材料となるたんぱく質以外にさまざまな栄養素が必要になり、ひとつでも欠けると効率よくつくることができません。「栄養バランス」が大事といわれるのは、そのためなのですね。

必要な栄養素がバランスよくとれるコツを教えてください。

主食・主菜・副菜をセットでとることです。
一日の全体量の目安は、ごはんやパンなどの主食はお茶碗に3杯分。主菜となる肉・魚・卵・大豆製品は、その中から3〜4種類を組み合わせて、そろえた両手にのるくらいが一日分です。

主菜の一日分をもう少し詳しく説明すると、片方の手のひらに肉、そろえた指に魚の切り身、もう片方の手のひらに豆腐、そろえた指に卵1コのイメージです。
副菜となる野菜は、生ならお茶碗に3杯分、加熱したものなら小鉢に5皿分以上をとることが推奨されています。これに一日1回乳製品や果物がとれると理想的です。
分量は、その人の活動量などによっても変わってくるので、ひとつずつ試してみるとよいでしょう。

なお、全国健康保険協会による「手ばかりをマスターしよう!」(*1)、 農林水産省・農林水産省による「食事バランスガイド」(*2)にも主食・主菜・副菜のバランスがわかりやすく紹介されているので、ぜひご覧ください。

主菜の1日分イメージ

たとえば、どんなメニューになるのでしょう?

たとえば、手間をかけたくない朝食は、パン、目玉焼きにプチトマト、牛乳。昼食はハンバーグ定食。夕食はご飯、焼き魚、お豆腐、サラダといったメニューならほぼ合格です。

肉や魚介、野菜がしっかり入った中華丼やカレーライス、焼きそばなどは、主食・主菜・副菜の全てをひと品でまかなうことができますよ。コンビニ食なら、おにぎりやサンドイッチだけではなく、肉と野菜が入ったシチューや豚汁など、ひと品で主菜と副菜がとれるものを添えるといいですね。

野菜が足りないときにはサラダをプラスしたり、「一日の1/3の野菜がとれる」などと表示されているお惣菜の活用もおすすめです。

なるほど。やはり一日3食が基本?

そうですね。主食・主菜・副菜をそろえて一日3食とることが理想ですが、やむをえず2食になってしまうときには、主食・主菜・副菜をしっかりとった上で、間食に乳製品や果物をとるなど工夫をしたいものです。忙しいときには、一日、あるいは数日単位で考えて、野菜不足を補ったり、脂質を控えたりするなど、バランスの修正を心がけるとよいでしょう。

できそうなことはやってみる、できるようになったら続けてみる、というスタンスが大事です。
基本は「80点キープをめざす」くらいの気持ちで。難しく考えると、とても続きませんよ(笑)。

飲み物はどうでしょう?

水分摂取にはノンカロリーの飲み物がおすすめです。清涼飲料水は糖分が多いので、疲れが軽減されるような気がしますが、長期的にはおすすめできません。

栄養補給をうたう野菜ジュースは、野菜がとれないときに全くないよりはまし、という程度に考えるのがよいですね。仕事中のリフレッシュには、好きな香りのフレーバーティーやコーヒー、また、リラックス効果でも注目される緑茶もよいでしょう。

一日3食も飲み物も続けられそう!だけど夕食が遅くなりがちです。

夜遅い食事は、睡眠を妨げるだけではなく肥満にもつながるので、就寝の2時間前には終わらせたいですね。心の基礎体力を整えるには、バランスよく食べることが大切ですが、規則正しく食べることも実は重要なことなのです。

この「食事のリズム」については、次回詳しくお話しますのでお楽しみに!

◎取材をして
「万人によい食事はないので、ひとつずつ試し調整しながら、自分にあった食事を見つけていけることが一番ですね」と鈴木いづみさん。美味しくて心に効く食のレシピ、見つけたくなりました!

(*1):1日の目安って?手ばかりをマスターしよう!(全国健康保険協会)
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Images/26041401/sumatore/2014110401.pdf

(*2):食事バランスガイド(厚生労働省・農林水産省)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/pdf/gaido-kihon.pdf

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