



1級キャリアコンサルティング技能士、公認心理師。
広告代理店を退社後、NPOにてカウンセリングをスタート。
現在は企業向けキャリアコンサルティング、社外1on1、研修、専門学校向け模擬面接サポート等を実施。気さくで楽しい人柄と本質をズバリ、アドバイスしてくれるキャリア相談が人気。
第5回
失敗をどう受け止め、
どう成長するか


「失敗したくない」という人が増えています。各種の意識調査でも特にZ世代に顕著です。
しかし、仕事をしていく上で、失敗が避けられないのも事実です。このコラムでは失敗をどう受け止めるか、どうやって成長の糧にするか、について考えていきたいと思います。

犯人探しと原因探しを
やめる
「どうして失敗したのだろう」「自分が悪いのだろうか」失敗した時、人は原因探しや犯人探しをしがちです。しかしそれがわかったことで、もう起こってしまったことが変わるわけではありません。むしろ、これからどうするか、に失敗を変えるヒントはあります。

その失敗は100%失敗か
どんな失敗でも、そのプロセスの中に良かった点やうまくいったことがあるはずです。新たな知識やスキルが身についた可能性もあります。そこに目を向けることで失敗の見え方は変わってきます。

何に対して失敗したのか、本質的な目標はなんだったのか
そもそも失敗と成功の基準はなんだったでしょうか。本質的な目標をどこに置き、それに対して何を失敗として評価するのか、もう一度見直すことも大切です。失敗は本質的な目標に向かう道のりの途中と言えるかもしれません。目標に対して振り返り、次のステップへ活かしましょう。

振り返りの力をつける
(経験学習の理論)
アメリカの教育理論家コルブが提唱した経験学習モデルというものがあります。アメリカの大手のIT企業などで導入され、効果を発揮してきました。自分が実際に経験した事柄からどう学ぶかというプロセスの理論です。
- まず、なんでも経験してみることから始まります。特に仕事上において自分が予測できなかった経験などをすると大きな成長につながります。
- その経験について内省的省察をします。何が起こったのか、自分はどう対処したのかを、多面的に振り返り、この経験を通して学べることはなんだったか、考えます。
- 次のステップではこの経験からを通した学びから教訓を引き出します。まず、具体的な経験から学んだことを抽象化します。他の人や他のケースにも応用できるような教訓にするにはどうしたらいいか、考えます。
- その教訓から仮説を作り新しい場面で実際に試してみます。これが新たな経験となり、さらに行動しながら、モデルを回し、クオリティをあげていくのです。
つまり、失敗だと思ったことも、振り返りをしっかりすることによって、達成したいことに向かっている途中とも言えるのです。


マインドスケール値を確認して、無理をしないこと
とはいえ、失敗が心の負担になることは不自然なことではありません。期待通りの結果が得られなかった時や仕事に打ち込みすぎた時などは気持ちに大きな負担がかかります。過度のストレスにならないようにマインドスケール値をチェックしながら、気分転換や休みを入れながら無理なく仕事をしていきましょう。何かあればプライベートセッションでカウンセラーにご相談ください。
まとめ
「失敗したくない」という思いは自然なことですが、失敗は決して悪いことではありません。むしろ受け止めることで自らを振り返るきっかけになり、成長にもつながることが学問的にも提唱されています。失敗を認められるチームは心理的安全性が高いとも言われますし、生産性も高まると言われています。失敗の事実は変えられないが、失敗の意味は変えられます。失敗に対する捉え方を少しずつ変えてみませんか。
読んでいただき、ありがとうございました。
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